レッスンで分校に移動していた時の話である。
キーロフではバスやトラムの料金は一律で22ルーブルである。小銭がなかったので50ルーブル札を出した。お釣りは28ルーブルである。
ところがあろうことか車掌にお釣りがないらしい。周りの乗客に小銭がないか聞いている。あいにく誰も持ち合わせがないようだ。するとなんと一人の若い男性が22ルーブルを払ってくれた。私はすぐにお礼を言ったが男性は何も言わず、にこりともしない。
こういうところがロシア人らしいのかもしれない。少しはにっこりすればいいのにと私は心の中で思ったが、もちろんそんなことは口に出さず、自分の停留所で降りた。