ドミトリー

私のルームメートだった。約1ヶ月、一緒に暮らした。歳は20代中頃で、優しくていい奴だった。彼女と結婚して新居に移るために出ていった。

10月7日に私が今のフラットに転がり込んだ時、彼はびっくりしたろう。彼は英語が、わたしはロシア語ができない。二人の会話は基本的にGoogle Translator経由だった。

一番最初に会った時、ドミトリーが言ったのは「タバコを吸ってもいいか?」「ゴミは分別しなくていい」だった。ドミトリーはいつも台所で水タバコを吸っていた。私は構わないといった。ロシアでは室内は禁煙である。その代わり、屋外ではいつでもどこでも喫煙可である。

ドミトリーと私は生活時間がほとんど重ならなかった。彼は建設作業員で夜間の仕事が主だったからだ。私が朝、職場に出かける時には彼はまだ寝ていた。お昼前に起きて午後から出かけていたようだ。帰宅するのはいつも私が床についた後だった。

水タバコが大好きで起きている時はいつも吸っていたといっても過言ではない。水タバコ中毒なんじゃないか、と私は今でも思っている。彼はまるで死んだように寝ていたからだ。朝、私が起きて活動を始めても全く気づく気配がなかった。生活はとても質素でちゃんとご飯を食べてるのかと心配するほどだった。時々、グレーチカ (蕎麦の実)と鶏肉を鍋で茹でていた。酒は私が勧めても全然、口にしなかった。清潔好きで家の中も整理整頓されていた。「ゴミ出しはどうする?」と尋ねると「俺がやるから久雄はやらなくていいよ」といってずっとやってくれた。

11月になってバタバタと引っ越しをしていったが、浄水器、お皿、まな板などをおいていった。ありがたく使わせてもらっている。私はこれは彼の優しさだったと信じている。

Thank you very much for your kindness, Dmitry.  Always be happy with your bride Sasha.

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